もう一人の神~完膚無きまでに叩きのめされた・・・。

17歳から27歳までの10年間、ある民謡の会に所属していたことがある。そんなところで何をしていたかというと三味線を習っていたのだ。主に歌伴ね。なぜその会に入会したのかというと、津軽三味線も教えていたからだ。その当時はオイラはもうギターをバリバリ弾いていたのだけど、たまたまその会を主催している先生がオイラの中学時代の同級生のお父さんということもあり「ちょっとやってみようかなぁ」という軽い気持ちで入会したのであった。

実際始めてみたらかなり面白くてどんどんのめり込んでしまった。10代の頃にはもう立派な妄執体質が確立されていたんだねぇ。1ヶ月後にはある大きな民謡の大会で伴奏していた。

10年後、教授資格を得るための試験を受けて助教師(この上は教授。しかし、教授に認定されるには既に教室を開業し、門下生がいることが条件)の免許を得て、同年、所属している会の名取りも拝受した。

正直に言うと、単純に演奏テクニックということだけで語ればギターの方が圧倒的に難しい。オイラもまだまだ青かったから「三味線なんて簡単じゃんっ!」と糞生意気なことを堂々と放言していたっけ。

しかしそんな伸びに伸びまくった鼻をポキッと折る人物が現れたのであった。それは誰あろう高橋竹山W(初代)その人だった。ある時、地元からほど近いホールで竹山の演奏会が催されると知り、会の人たちと一緒に出かけた。竹山のことは「津軽三味線の名手」っていう知識しかなく、レコードやCDも聴いたことがなかなった。いきなり実演に接してしまったのだ。演奏会の終了した約二時間後・・・。オイラはしばらく座席から立つことが出来なかった。言いしれぬ感動の余韻に完全に束縛されてしまったのだ。

「人間は心の底から感動すると何にも出来なくなるんだな」と知った。竹山の演奏はなんの衒いも無い、これ以上は無いという“ピュア”な美しさに満ちあふれている。興味のある方はどうか今現在活躍している○○兄弟やその他若手の津軽三味線弾きの演奏と聴き比べられるといい。“音”そのものの違いに驚かれることだろう。

一度でも竹山の演奏を聴いてしまうともう他の三味線の音は聴けなくなる。少なくともオイラはね。だからオイラは三味線を封印した。自分の三味線の音が苦痛でたまらなかったから。

tikuzan

竹山は生前、余り数は多くないが録音を残している。そのどれもが名盤だが、この1枚は絶対に外すことが出来ない。1963年に発表された「源流・高橋竹山の世界」がそれだ。本邦初、つまりは世界初の津軽三味線独奏によるアルバムだ。まさに全人類的お宝必聴盤!

源流・高橋竹山の世界

源流・高橋竹山の世界ミュージック

価格¥ 2,571

アーティスト高橋竹山

クリエーター高橋竹山

発行キングレコード

発売日1997/05/20

カテゴリーCD

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  1. くぅーっ。思わず買っちまったー。

    リンクもさせていただきました。今後もヨロシク。

    • Luzia
    • 2009年 7月 25日

    @けんちくりんさん
    ようこそ、いらっしゃぁ~い!こちらこそよろしくね。

    このCDは絶対購入して損は無いでっす!
    そもそも津軽三味線独奏って分野自体、このアルバム発売されるまではあり得ないことだったのです。事実、このアルバムを当時プロデュースした方は上司に怒られたそうです。録音に至るまで大変な苦労をされたようです。しかしアルバムがリリースされると徐々に口コミで評判になり、結果、高橋竹山の名前が世に知られるきっかけになったのでした。僕はもう三味線を弾きませんが、ギターを弾いていてちょっと「傲慢」な気持ちになった時に竹山の音を聴いて自分を戒めています。ipodにはほとんど全ての音源が入っています。

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