饒舌なテクニシャン

今最も脂が乗っているフラメンコ・ギタリストはGerardo Nuñez (ヘラルド・ヌニェス)じゃないかしら。とにかくこの人、テクニックだけで語ったらパコ・デ・ルシアも真っ青なモンスター的技巧を誇るギタリストで、初めて聴いた時はマジにブッ飛んじまった。多少、ワンパターン的なところは否めないんですけど、とても気持ちの良い演奏をするギタリストっす。

最近はジャズ寄りっていうか、ジャズ・フラメンコ (フラメンコ・ジャズか?)と呼びたいくらいジャズったスタイルになっています。でも今時のフラメンコ・ギタリストには稀になりましたが、完全ギターソロだけでコンサートをする事もある凄腕でもあります。

彼が他のギタリスト以上に固執しているのは変則チューニングを積極的に使用しているところかな。⑥=D、⑥=D&⑤=G、Rondeña (ロンデーニャ)で使用される⑥=D&③=F♯といった変則チューニングはフラメンコ・ギターではごくごく一般的なチューニング。ヘラルドの場合はもっと過激な変則チューニングを使用することがあります。

過激な変則チューニングを使用した最初のフラメンコ・ギタリストはたぶんパコ・デ・ルシアだと思う。代表的な例では「Almoraima (邦題:アルモライマ)」に収録されている「Jaleo (ハレオ)」では第2ギターが⑥=A (5弦Aの1オクターヴ下のA)、「Solo quiero caminar (邦題:道)」に収録されている「Piñonate (ピニョナーテ<ブレリアス>)」では②=A、①=D、大傑作「Sirocco (邦題:シロッコ~熱風)」に収録されている「La Cañada (タンゴス)」では⑥=A、②=A、①=Dという大胆な変則チューニングを使用しています。まぁ、いずれにしてもMode (モード、旋法W)に合わせて使用しています。

ヘラルドもいろんな曲に変則チューニングを使用していますが、代表的なところでは「Remache (シギリージャス)」で、⑥=B&①=D♯、「Los Caños de la Meca (もしくはCalimaというタイトルでも録音しているブレリアス)」では⑥=C&⑤=G&④=C、Solea por Buleria (ソレア・ポル・ブレリア)」では低音弦だけ半音下げる⑥=D♯&⑤=G♯&④=C♯を使用しています。ちょっとだけ譜面を掲載。

remache Los Canos de la Meca solea por buleria

実演もどうぞ。
Remache (シギリージャス)の演奏。

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Calima (ブレリアス)の演奏。

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Solea por Buleria (ソレア・ポル・ブレリア)の演奏。

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凄く効果的で面白い!。またヘラルドは教えるのもとっても上手く (教えるの大好きみたい)、スイスのEncuentro社から発売されているLa Guitarra Flamencaシリーズ (教則DVD+本)ではテクニックについて自演を交えてしゃべくりまくっています。でもとってもわかりやすく勉強になります。(スペイン語で字幕無し・・・。でも、本のほうに英語訳が載っています)興味のある方は以下をご参照下され。

Encuentro公式サイト
日本ではアクースティカさんが販売されています。

  1. ヘラルド・ヌーニェス・・・私もファンです。
    山野楽器ではなぜかジャズの売り場においてあったりしますね。
    すごく音がきれいだし・・・。
    ANDANDO EL TIEMPOが気に入って毎晩聴いていたときもありました。

    ソロはもちろん素敵だけど、2005年の東京で行われたフラメンコ・フェスティバルの時、バイラオーラの奥様のカルメンさんの伴奏をしていた姿が印象的。
    だってね、とってもうれしそうだったんですよ(笑)
    奥様のバイレもものすごいインパクトがありましたっけ。
    きれいに結ってある髪が必ず最後はバラバラになるくらい激しい踊りで、四方に飛んでいく(大げさ!)ペイネタがヘラルドに当たりゃしないかと、ハラハラしました。

    • Luzia
    • 2009年 8月 20日

    @Angelita様
    ANDANDO EL TIEMPOは僕も好きです。今でもよく聴いています。

    カルメンさんって一見怖そうで「鬼嫁」っぽい(失礼!)んですが、とっても仲が良いみたいですね。お二人で毎年のようにクルシージョもやってるみたいですし。

    ヘラルドはヘレスの人なのでやっぱりブレリアが最高っす。

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