池袋を疾走せよ

石田衣良さんはかなり好きな作家の一人です。特に少年や青年の群像を描かせたら当代右に出るものはおらぬのではないでしょうか。エッジの効いた文体と疾走するリズム感が、フラメンコ野郎のオイラにはとても気持ちいいのです。直木賞を受賞した「4TEEN フォーティーン」や「アキハバラ@DEEP」も大好きだけど、特にお気に入りなのは「池袋ウエストゲートパーク」シリーズです。一体何回再読したことだろう。

この作品は宮藤官九郎Wさんの脚本、長瀬智也君の主演でドラマ化されたこともあるのでご存知の方も多いと思います。でも、小説とドラマではキャラクター造形がかなり違いますのでご注意を。オイラはハッキリ言って小説の方が激しく好き。まぁ、これは好みですけどキング (ドラマでは窪塚洋介君が演じた)こと安藤 崇のキャラクターは小説とドラマでは180度違う。やっぱりキングは常にクールであって欲しい・・・と思うのはオイラばかりだろうか。

池袋西口ロマンス通りにある小さな果物屋の息子、真島 誠(マコト)が店を手伝うかたわらトラブルシューターとし活躍する短編集で、ストーリーは一話完結。彼を主役に個性豊な面々が様々な事件で関りを持って絡んでくるんですが、トラブルの元となる事件が毎回、現代の世相を反映したしたとてもリアルな題材を使用しており、まるでノンフィクション作品を読んでいるような錯覚さえ覚えてしまいます。冒頭に書いたように、これが非常にスピード感溢れる文体と語り口で綴られて、結末を知っていても毎回ワクワクしてしまうのです。こういう作品にはちょっと今まで出会ったことがない。

舞台になっている池袋は、オイラにとって庭みたいなスポット(むかしはよく遊んだ・・・)なので、小説中に出てくる実在の建物(西口公園も含めてね)がすぐ頭に浮かぶのも嬉しい。意外と池袋を題材にした小説って無いんですよね。

またクラシック音楽ファンの方にとってもこの作品はかなり面白いはずです。ひょんなことから(記念すべき第1作「池袋ウエストゲートパーク」をお読みになるとわかります)クラシック音楽に目覚めたマコトの音楽的成熟度はかなりのものです。Olivier Messiaen(オリヴィエ・メシアンW)の「鳥のカタログ」やJohn Milton Cage (ジョン・ケージW)の「プリペアド・ピアノの為のソナタとインターリュード」なんて普通小説に使います?石田衣良さん、あんた本当にムイ・ビエンっす!

今夏、シリーズ第9作「ドラゴン・ティアーズ 池袋ウエストゲートパークIX」が上梓されました。そう、このシリーズはまだ完結していないのです。この作品のファンとしては、永遠に続いて欲しいなぁと思う今日この頃です。

記念すべきシリーズ第1作

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)

著者/訳者:石田 衣良

出版社:文藝春秋( 2001-07-10 )

定価:

Amazon価格:¥ 637

文庫 ( 367 ページ )

ISBN-10 : 4167174030

ISBN-13 : 9784167174033



ドラマ版DVD

池袋ウエストゲートパーク DVD-BOX

販売元:ジェネオン エンタテインメント( 2000-10-25 )

定価:¥ 24,624 ( 中古価格 ¥ 11,900 より )

Amazon価格:¥ 19,046

時間:529 分

6 枚組 ( DVD )


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