世界一可愛い子供

かつてそう呼ばれ、世界的な人気を博した子役がいる。その名はJackie Coogan (ジャッキー・クーガン、1914-1984)。そう、あの偉大なCharles Chaplin(チャールズ・チャップリンW)が1921年に製作した名作「The Kid(キッド)」の子役である。

なんともう88年も前の映画なのね・・・。有名な映画だからご覧になった方も多かろうと思う。映画史上、名子役はたくさん輩出されたけど、個人的にはジャッキーを越える子役には残念ながら出会った事が無い。

当然ながらサイレント映画なわけですが、彼の演技の素晴らしさは「天才」を超えて、もう「神懸り」だ。加えてあの可愛さである。「世界一可愛い子供」というキャッチフレーズは誠に言い得て妙である。この映画を初めて観た時オイラは切実に思った。

「この子の父親になりたいっ!」

と。

この時代は当然ながらテレビなんぞ無いので、映画は最高のエンターテイメントの一つであり、映画俳優そのものが今とは比べものにはならない程の「大スター」であった時代である。当然彼の人気にあやかって様々なグッズが販売されたりと、「大スター=金のなる木」という図式が確立されることになる。

その後、彼の利権を巡る大人たち(親も含む)の泥仕合にも似た展開により、結局ほとんどの私財を失うことになってしまった。その結果彼は母親とマネージャーを告訴することに。これを期に1939年、子供の財産権を守る「クーガン法」が制定されるということにまで発展してしまった。

彼はその後も俳優業を続けたけど、人気は当然ながら落ちていく。彼も人間ですから成長するわけで、いつまでもキッドの時のジャッキー少年ではいられない。だけど観客はそうは思っても、無意識に「ジャッキー少年」の面影を追い続けてしまうものだ。

1964年~1966年にかけて日本で放映された「アダムズのおばけ一家」[1]に彼は出演している。すでに40代前半であるが、全く面影がない・・・。「この人はあのキッドに出演してた子役だよ」と言われても俄かには信じられぬほどの変貌振りである。でも、オイラはこの頃のジャッキーも好きだけどね。

「世界一可愛い子供」が「世界一醜い大人」を演じるという皮肉。そこに人生の機微を感じるのはオイラだけではあるまい。

「キッド」のラストシーン。

This video is embedded in high quality. To watch the video in standard quality (because of the internet connectivity) use the following link: Watch the video in normal quality

キッドより アダムス

  1. 後に「アダムス・ファミリー」としても有名になった作品。 [戻る]
  1. キッドの子役ね。可愛かったよね。
    一世を風靡した子役が大人になると・・・。
    成功例の方が少ないのかもしれませんね。
    ハリー・ポッターの子役みたいに映画と共に成長できるのは稀な例。
    去年スター・ウォーズのイベントに行った時に、ダース・ベイダーの子ども時代を演じた少年がサイン会をしていて、なんだかあまりの変貌ぶりに愕然としたのを覚えています。
    あんなにちっちゃくて可愛かったのに~~(涙)

    • Luzia
    • 2009年 9月 26日

    @Angelitaさん
    特に欧米人の子供 → 大人への変貌振りはほとんど「詐欺」ってくらい変わっちゃいますね。

    「ET」のドリュー・バリモアはよくここままで復活出来たものだと感心しきり。ジョディ・フォスター、ナタリー・ポートマンは奇跡ですね。

  1. トラックバックはまだありません。

*