財布は空っぽですが・・・

採譜をするのが一時マイブーム (古っ!)だった。採譜、いわゆる耳コピってやつね。フラメンコの場合、例えば 「パコ・デ・ルシアのあの曲が弾きたい!」 と思っても楽譜が無いのは当たり前。最近はパコをはじめ色々なギタリストの曲集が出版されていますが、ほとんど全て採譜による楽譜です。

パコにしても、トマティートにしても、ビセンテ・アミーゴにしても楽譜を書かない、というより 「読めない=書けない方」 たちなのでどうしようもない。というより、楽譜を書けたとしてもその通りに弾くことはまずない (民族音楽の世界では普通)ので余り意味の無いことなんだけど・・・。だけど、彼らの 「耳=音感」 は半端なくずば抜けているので、音楽理論バリバリのミュージシャンでは思いつかないような斬新なハーモニー、コード進行が創れるのかもしれない。

オイラが初めて採譜に挑戦した曲はパコ・デ・ルシアの 「二筋の川」 というルンバだった。大学時代に所属していたギター部の定期演奏会で弾くため (無謀!若かったねオイラも・・・) だったのだけど、「単旋律が多いから採り易かろう」 という安易な発想でトライしてみたものの、実際にやってみると結構難しい・・・。

ギターの場合、同じ音が他のポジションでも鳴らせる楽器なので、まずどのポジションで弾いているかを見極めなければならないのね。それによって左指の運指もある程度予測出来るし。で、一番頭を悩ますのが和音。単純なコードは慣れるとすぐ採れるのだけど、現代フラメンコの場合テンションコードがバリバリ使われているのでかなり難しい。正直 「ぬぁ~~~~~っ!」 と叫びたくなることも度々なのだけど、様々な苦労を経て、ある程度納得出来るクオリティで採譜が出来た時の 「達成感」 は何ものにも変え難いものがあるので止められない。

採譜に挑戦しようと思われている方に一つアドバイスを。いきなりはかなり大変なので、今お持ちの楽譜 (何でも良いです)で、出来れば一度も目を通していないものか、大昔に目は通したけどそれっきりみたいなものをご用意下さい。最初はなるべく簡単な曲がいいです。そして、その曲の音源を探していざ 「採譜!」

正解の楽譜が手元にあるわけですから、採譜に詰ってしまってもストレスが溜まりません。これはかなり気持ち的に楽になりますよぉ。答え合わせも出来るしね!慣れてきたら徐々に難しい曲にチャレンジですっ!。

最近はクラシック・ギターのための作品、もしくはアレンジであっても、録音はされているのに未出版ということもままあります。せっかくいい曲だから弾いてみたいけど、楽譜が未出版だからと諦めてしまうのは勿体無いですよ。ちなみに絶対音感は必要ないと思ふ。オイラもそんなご大層なものは持ち合わせていませぬ。 (あったら楽ですけど、きっと・・・)

【追記】
最近はなかなか採譜の時間が取れないのですが、 「Jacob do Bandolim (ジャコー・ド・バンドリンW)/Migalhas de Amor (ひとかけらの愛)」 というめちゃめちゃ美しいメロディーのショーロを採譜中です。この曲はギターではなく、ブラジルのBandolim(バンドリンW)という楽器のために書かれた作品です。これをブラジルの女流ギタリスト、Cristina Azuma (クリスチーナ・アズマ)がギターソロにアレンジしたものをなんですが、凄くいいんですよこれが。 (でも残念ながら未出版)

採譜自体は終わって、浄書の段階に入っています。完成したら公開しようかと思ってます。

    • 井沢一泰
    • 2012年 11月 3日

    you tubeでnino migelが弾いていたのみてトライしてみたくなりました。
    多分苦労するんでしょうが、採譜されたとのこと、公開戴けない」ないでしょうか?
    市販されてるようですが、1曲の為何千円出すのはきついです。よろしくご検討下さい。
                    千葉県八千代市  井沢

    • Luzia
    • 2012年 11月 3日

    @井沢一泰様
    コメントをいただきありがとうございまっす!

    Niño Miguel がパコの“二筋の川”を弾いていたのですね。一時はパコの方がミゲルをパクって(いい意味で)いたのに・・・。

    さて、“二筋の川”なんですが、大変申し訳ございません。

    現在、パコ・デ・ルシアの著作(録音、出版等)はスペインの著作権協会において厳重な管理下にあるため、公式に認められた出版物以外の無償公開、もしくは販売は禁止されておりますので難しいのが現状です。

    以前、あるスペイン人アマチュア・ギタリストが自身のウェブサイトで採譜をした楽譜を販売していたことがあったのですが、裁判沙汰にまで発展しサイトも閉鎖されてしまいました。どうかご理解いただけましたら幸甚です。

    これまでこの曲の楽譜はいくつか出版されているのですが、現在入手可能で採譜の精度から言って最も信頼の置けるものはフアン・マヌエル・カニサレスが採譜した楽譜であります。井沢様がご覧になられた楽譜かもしれませんね。確かにちょっと高いですね・・・。

  1. トラックバックはまだありません。

*