痒みの限界

二者択一の罰を神から与えられたとします。その罰が「痛みと痒みのいずれかを選びなさい」というものだったとしたら皆さんはどちらを選ばれるかしら?オイラは多分「痛み」を選ぶな。いや、痛いのはもちろん辛いけど何とか耐えられそうな気がするの。でもね、痒みっていうのは辛さの度合いで言うと痛みの倍はあると思う。なぜそう言い切れるかというと、昨年の今頃に今まで味わった事がないような究極の「痒み」を体験したからなのである。

田んぼを貸している茨城の農家の方から、「新米いつでも渡せるよ」と連絡があり親父と一緒に受け取りに行くことになった。(この茨城の件については8月13日の記事を参照)んで到着後、まず家の掃除をしようと何となく庭の裏に回ったら、棕櫚(しゅろ)の木がお隣の家の田んぼに落ちていた。どうやら、その前の週に関東に接近した台風の強風により幹が折れてしまったようなのだ。お隣はあんまり大きな声では言えないけど、結構うるさい方で何かと小言をいってくるお家ということもあり、文句を言われる前に処分せねばと親父と二人で持ち上げようとした。

が、これがめっちゃ重いのさ。全然持ち上がらん・・・。「こりゃ、三分割ぐらいに分けないと駄目だな・・・」ということになり、小さなチェーンソーがあることを思い出し速攻で切断。10月だというのに汗まみれになりつつ無事に撤去。その間、親父には家の中の掃除をやってもらった。

やれやれと一息ついて昼飯を食い、米も車に積んでそろそろ帰るかという段になって、何となく右手親指の付け根から手首近くあたりが痒いなと感じ始めた。「蚊にでも刺されたか?」とその時は思ったのだけど、東京につく頃になってもまだ痒い。でも、その時はまだ「ほの痒い」感じで全然平気だったんだよね。そして、次の朝・・・

「がゆいぃぃぃぃぃぃ~~~~っ!」

あの痒みを表現するボキャブラリーが無いのはつくづく残念である。とにかく体がブルブル震えるぐらい痒いのだ。で、右手親指の付け根からいくつか枝分かれをした状態でミミズ腫れになっている。ハッキリ言ってかなり気持ち悪い。

会社近くに皮膚科があるのを思い出し、取りあえず早出した。電車内ではあまりの痒さにマジで気が狂いそうだった。冷や汗を滴らせながら皮膚科へ。5分程で診察に。で、先生に状況を説明して手袋(見た目がかなり気持ち悪かったので右手だけ手袋をはめていた)を外し見てもらうと先生は開口一番「あぁ、これは漆かぶれだね。痒いでしょ」とにこやかに仰る。

「か、痒いからここに来たんじゃろがい!」

という言葉を危うく飲み込み「せ、先生。もうこれは痒みの限界っす。何とかして下さいまし」と懇願。塗り薬と飲み薬を処方してもらった。塗り薬を塗ってもらったらあれよあれよ言う間にかなり痒みが緩和。凄いな最近の薬は。

が、ここで一つ疑問が浮上。先生は「漆かぶれ」と仰ったけど、漆なんか触った記憶が全然無い。そんなオイラの疑問を見透かしたように先生は机上のブックエンドから植物図鑑を取り出し「昨日、草刈りをしたりしませんでしたか?」と聞かれた。草刈りはしていないけど、棕櫚の木うんぬんの話をすると「うんうん」と言いながら図鑑をぺらぺら捲りだした。「たぶんこれですよ」と示した写真は漆科の蔓草であった。

昨日の棕櫚の状態を頭の中でリプレイ。あぁ、確かにこの蔓草が螺旋状に棕櫚に巻かれていた!で、オイラはあろうことか素手で作業をしていた・・・。迂闊であった・・・。先生はその後、漆かぶれのいろんな症状を写した写真を見せてくれたんだけど、その蔓草の症例写真は紛う事なきオイラの症状そのものだった。

一週間ほどで完治したけど、ミミズ腫れの跡がきれいに消えるまで一ヶ月くらいかかりましたな。この茨城の家には毎年5回ほど行くんだけど、もちろん今は手袋をして草刈りをしています。あの痒みは二度と体験したくないなぁ。皆さんも草刈りなどをする時はお気をつけ下さいやし。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

*