映画に音楽は欠かすことが出来ないものです。どんなにつまらない映画でも、音楽が素晴らしいと良い映画のように思えてしまうほど重要なものだと思う。ということもあり、映画のサントラ盤って大好きなの!ほとんどの映画はその映画のために書き下ろされた作品を使用するわけですが、中には既存のクラシック作品をそのまま使用することもありますね。オイラが所有するサントラ盤の中でも、特にお気に入りの一枚があります。それは・・・
William Peter Blatty(ウィリアム・ピーター・ブラッティW)原作の小説を、William Friedkin(ウィリアム・フリードキンW)が1973年に映画化した「The Exorcist(邦題:エクソシスト)」のサントラです。
オカルト映画ブームの火付け役ともなった名作ですね。日本でも大ヒットしました。まぁ、ホラー系、オカルト系映画が苦手な方にとっては完全スルー作品だとは思いますが、この映画は非常に重厚な人間ドラマを描いています。さすがに前作「フレンチ・コネクション」でアカデミー賞の作品賞、監督賞を受賞した監督作品だけあります。でも、かなりショッキングなシーンも満載なのでご注意を。
この作品における音楽ですが、当初フリードキン監督は新進気鋭の作曲家Lalo Schifrin(ラロ・シフリンW)に依頼したのだけど、出来上がってきたテープを聴いて「こんなストラヴィンスキーもどきの音楽はいらんのじゃっ!」と激怒し、シフリンの目の前でテープをメチャクチャに破壊してしまったそうです。(か、可哀想・・・)で結局、既成の現代音楽の中から特にアバンギャルド(前衛)な音楽をセレクト。これが結果的に素晴らしい効果を生みました。もう、現代音楽好きにとってはこの選曲が余りにも素晴らしすぎて失禁モノなのである。
- Mike Oldfield(マイク・オールドフィールドW)
Tubular Bells(チューブラー・ベルズ)- Anton Webern(アントン・ヴェーベルンW)
Five Pieces For Orchestra(管弦楽の為の5つの小品)- Krzysztof Penderecki(クシシュトフ・ペンデレツキW)
Polymorphia(多重人格)、String Quartet No.1(弦楽四重奏曲第1番)、Kanon for Orchestra and Tape(オーケストラとテープの為のカノン)- Harry Bee(ハリー・ビー)
Beginnings from “The Wind Harp”(ウィンド・ハープ)- George Crumb(ジョージ・クラム)
Night of the Electric Insects (ナイト・オブ・ジ・エレクトリック・インセクツ)- Hans Werner Henze(ハンス・ヴェルナー・ヘンツェW)
Fantasia for Strings(弦楽のためのファンタジー)
ぬぅ~~~~ん、萌えるぜっ!この中で一般的に知られている作品は、テーマ曲に使用された「チューブラー・ベルズ」だけでしょうね。作曲者名、曲名を知らなくても聴くと「あぁ、あの曲か」と思われるはず。この作品はポピュラーっぽいけど完全にMinimal Music(ミニマル・ミュージックW)でっす。参考までにどうぞ。
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現代音楽は無調だったり、耳に心地よいメロディーが無かったり、不協和音が多用されたり、楽器を叩いたり、ピアノの弦にクリップやらゴムなんかを付けちゃったりと「わけわからん」のだけど、音楽に対する既成概念を全部取っ払って音そのものに集中するとかなり楽しい!
以前は現代音楽が大嫌いだったのだけど、食わず嫌いはいけませぬ。皆様も一度聴いてみてはいかがかしら?
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