「全人類的お宝必聴盤」って言葉が好きで昔っから良く使っています。超個人的に「これは墓場まで持って行きたい」的な、「オイラ的には世界遺産」的な、「騙されたと思ってまずは聴いてみなっ!」的な、「的」を酷使したくなるアルバム(CD)について書きます。やっぱり第1弾はオイラの神、パコ・デ・ルシアのアルバムからチョイスしなきゃね!
“Siroco (邦題:シロッコ~熱風)~1987年”
- La cañada(邦題:ラ・カニャーダ<タンゴス>)
- Mi niño Curro(邦題:可愛いクーロ<ロンデーニャ>)
- La barrosa(邦題:ラ・バローサ<アレグリアス>)
- Caña de azúcar(邦題:さとうきびのルンバ<ルンバ>)
- El pañuelo(邦題:エル・パニュエロ<ブレリアス>)
- Callejón del muro(邦題:ムーロの小道<ミネーラ>)
- Casilda(邦題:カシルダ<タンギージョ>)
- Gloria al niño Ricardo(邦題:ニーニョ・リカルドに捧げる<ソレア>)
<>内はリズム形式
パコのことは散々書いているので説明はもういいやね。さてさて、傑作揃いのパコのアルバムから一体どれを選ぼうかとかなり悩みましたが、フラメンコ・ギター音楽をよりグローバルな世界に変化させ、更には現代フラメンコ・ギターの方向性を決定付けてしまったフラメンコ・ギター音楽史上の最高傑作、「Siroco (邦題:シロッコ~熱風)」をチョイス!
1976年に発表された中期の傑作「Almoraima(邦題:アルモライマ)」において、「伝統的なフラメンコ」で出来ることを全て出し尽くしてしまったパコ。30歳にして頂点を極めてしまい「さぁ、今後どうする?」って状態になってしまった。
その後、新たな表現方法を探究すべく積極的に他ジャンルのプレイヤーと共演し始めました。その代表的なものが例の「スーパー・ギタートリオ」です。彼らジャズ・フュージョン界のギタリストたちとの共演から、特にコード(和声)やインプロヴィゼーション(即興)面で非常に影響を受けたことは想像に難くありません。
そういった影響を受けながら、「パコ・デ・ルシア・セクステット」という最強のアコースティック・ユニットを結成し、暗中模索の時代に突入。10年の月日を経て発表されたのがこのアルバムです。
このアルバムを初めて聴いた時は正直言うと「?」だった。劇的過ぎる進化に付いていけなかったのだ。だけど、何度も聴くうちにその完成度の高さに鳥肌が立つようになった。この印象は、20数年経った現在聴いても全く変わらない。聴けば聴くほど新たな発見がある凄ぇアルバムだわ。
これ程完成度の高いフラメンコ・ギターのアルバムは他に皆無と言っても決して過言ではないと思う。恐らくパコ自身ですら今後これを越えるアルバムを制作するのは不可能かもしれんなぁ・・・。
ところでお勧めしたのは良いのだけど、国内盤が廃盤ってどういうこと?責任者出てこんかいっ!というわけで、興味のある方はアクースティカさんでスペイン盤がゲット出来ます。
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