全人類的お宝必聴盤~Part 3 “高橋竹山/源流・高橋竹山の世界”

このアルバムは7月24日の記事で津軽三味線の巨匠、高橋竹山について書いたときに紹介したものですけど、やっぱりこのカテゴリーから外すことが出来ないので今一度ご紹介しましょう。オイラの個人的な暴言を言わせていただければ、このアルバムを聴いて以降、竹山以外の津軽三味線演奏は聴けなくなってしまった。なので津軽三味線演奏の記録は竹山のものがあればもういらない。

“源流・高橋竹山の世界~1963年”

源流

  1. 津軽よされ節(前囃し)
  2. 津軽よされ節(本唄)
  3. 津軽音頭
  4. 鯵ヶ沢甚句
  5. 十三の砂山
  6. りんご節
  7. 津軽三下り
  8. 津軽じょんがら節(前囃し)
  9. 津軽じょんがら節(中節)
  10. 津軽小原節
  11. 弥三郎節
  12. お島こ節
  13. 津軽塩釜甚句
  14. 津軽甚句

今でこそ津軽三味線独奏というジャンルは珍しいものではないですけど、このアルバムが発表されて初めて確立されたと言って良い。三味線はあくまでも唄のための伴奏楽器だったからだ。

当時22歳だったキング・レコードのディレクター、斎藤幸二氏が成田雲竹[1]の伴奏をする竹山の三味線の音に魅了され、上司にどうしても津軽三味線独奏のアルバムを作りたいと話したところ一蹴されたそうである。そして、何とか承諾を得てまずは成田雲竹に会いに行くが、なかなか竹山の住所を教えてもらえなかったそうである。雲竹も初めはこの企画を一笑に伏した。が、斎藤氏の熱心さに折れて竹山の住まいを教えてくれたそうだ。

季節は真冬。教えられた場所に行ってはみたが、そこは一面の雪景色で家らしい建物がない。が、ふと目に入った荒ら屋(斎藤氏は農具を格納する物置だと思ったらしい)から煙が出ている。「まさかここが竹山の家か?」と恐る恐る訪ねると竹山が中から出てきたそうである。

あちこちから寒風が吹き込む凄まじい家だったらしい。斎藤氏が竹山に事の経緯を話したところ、竹山自身も最初は余り乗り気ではなかったようだ。というより、前例がないので果たして津軽三味線独奏が世に受け入れられるものなのか不安だったのかもしれない。でも、最終的に了承しここに世界初の津軽三味線独奏によるアルバムが誕生したのである。

結果、意外なことに若者を中心にこのアルバムが話題になり、あの「渋谷ジャンジャン」で演奏をするという事にまで発展。これにより竹山の名は全国に知られることになり、長い不遇の時代を脱し、後の海外公演へと更に飛躍したのだった。

耳の肥えた方ならすぐわかるはずです。竹山の三味線の音色と現在の三味線奏者による音色が余りに違うということを。誠に神懸かりなアルバムである。

  1. 津軽民謡の世界では神のような存在の方。 [戻る]

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Luzia

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