幻の三位一体

オイラは今でも時折り夢想してしまいます。Paco de Luica(パコ・デ・ルシア)のギター、Camarón de la Isla(カマロン・デ・ラ・イスラ)のカンテ、そしてAntonio Gades(アントニオ・ガデス)のバイレによる三位一体の演奏を・・・。でもそれはもはや適わぬ夢。1992年にカマロンがわずか42歳で逝き、ガデスは2004年に67歳で逝ってしまった。それでも現代のフラメンコ・ファンにとっては、同時期に個々の傑出したフラメンコ・アーティストを体験出来たのは実に幸運であったと思います。(オイラはカマロンだけは遂に生で観る事が出来なかったなぁ・・・)

パコとカマロンはご存知のとおり若い頃に多くのアルバムやコンサートで共演しています。パコとガデスはどうでしょう?(カマロンとガデスの共演は不勉強のため存じ上げませぬ・・・)

オイラの初ガデス体験はCarlos Saura(カルロス・サウラW)監督による映画「Carmen(カルメン)」でした。実を言うとこの映画を観に行った目的はパコを観るためでした。この映画にパコは俳優として出演(パコ・デ・ルシアという名前のままでっ!)しており、ギターを演奏するシーンもあったからです。

この映画以前に「動くパコ」を観た事が無かったオイラは、パコが出てきた時に思わず「おうっ!ぱ、パコだぁっ!」と自分では抑えたつもりなんだけど結構大音声になってしまい赤面した記憶が・・・。

オイラが知る限り公にパコとガデスが共演している映像はこの作品のみです。ただ映画の中のシーンなので、ガチンコの共演ではありません。

パコの登場にはもちろん感動したんだけれど、この時に観たガデスに一瞬で惚れてしまいました。まずあの「狼」のような眼光に射竦められてしまいました。

アントニオ・ガデス

この映画は有名なProsper Mérimée(プロスペル・メリメW)の小説をフラメンコによるミュージカルで表現した作品です。劇中劇と現実世界(リハーサル風景)が交錯した不思議な映画なんですが、オイラは特にガデスがスタジオのステージで一人、ファルーカを踊るシーンが好きです。

ファルーカはとっても男性的な踊りで、ガデスの十八番とも言えるかもしれません。短いシーンですけど、鳥肌モノの素晴らしさです。

強烈なカリスマ性と卓越したバイレ、フラメンコ舞踊を現代舞台芸術として開花させた誠に稀有なダンサーでしたね。

ガデス亡き後も「アントニオ・ガデス舞踊団」は現在でも精力的に活動中です。たびたび日本でも来日公演を行っていますから、フラメンコを普段見聞きしない方も名前だけはご存知かもしれませんね。

今日は久し振りに「カルメン」を観てみようかな。なんかいい夢が見られそうなので。

映画「カルメン」のファルーカを踊るシーン。(1:53からです)

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1969年、ガデス33歳の時のファルーカっ!

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こちらもカルロス・サウラ監督がManuel de Falla(マヌエル・デ・ファリャW)のバレエ音楽「El amor brujo(恋は魔術師)」を映画化したもの。共演はCristina Hoyos(クリスティーナ・オヨス)ですっ!バックに流れている音楽は「Cancion del fuego fatuo(きつね火の歌)」。

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  1. 映画「恋は魔術師」なつかしい。
    私が初めてガデスとオジョスを観たのはこの映画だったな。
    アントニオ・ガデスのような人はもう二度といないでしょうね。
    ファルーカ凄いね・・・。

    • Luzia
    • 2010年 1月 27日

    @Angelitaさん
    「カルメン」を観たのは18歳、大学1年の時でした。まだフラメンコ・ギターを初めて数ヶ月ぐらいの頃です。

    あの頃はとにかくパコ・デ・ルシア=神という意識が一番強い時期で、とにかく動くパコに感動。で、同時にガデスを知ることになり「おいおい、なんかフラメンコってめっちゃカッコいいぢゃないのぉ~~~~っ!」と、より深くのめり込むことになってしまったのでした。

    「ファルーカ」って日本人にもわかりやすいリズム&ハーモニーですね。

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