♪トニイホロヘハ♪

今でこそ音楽理論のことは多少なりとも理解しているんですけど、実を言うと現在の会社に就職する以前(つまり学生時代)は全くわからなかった・・・。と言うより、必要性を感じていなかったのね。当然その時点である程度のギター歴はあり楽譜そのものは読めたのだけど・・・。楽譜を「単純に読む」ことぐらいは小学校、中学校の音楽の授業で習った基本的なことで事足りるのです。ただ、楽譜を中心とした現在の仕事を円滑に遂行する場合、ある程度の音楽理論を勉強しないとちょっとヤバイのは事実であります。

いざ楽譜の仕事を始めてまず困ってしまったのはお客さんからの電話での質問でした。

「その楽譜の調性(キー)は何ですか?」

調性、つまりハ長調だとかイ短調だとかって言うあれです。まぁ、これくらいはさすがにわかるんだけど、例えば♯や♭が5つ、6つ、7つと付いていたりするともうお手上げ・・・。

当時は2人1組で楽譜の仕事をしていました。パートナーだったRさんが音大出身の才媛だったのは実に幸いでありんした。最初のうちは調性がわからないと彼女にいちいち聞いていたんだけど、いつまでも頼りっぱなしはマズイだろうと一念発起して理論を勉強することにしたのです。

で、彼女が勧めてくれたのが音楽理論の入門書として定番中の定番である「楽典-理論と実習」という名著でした。これはほんとにいい本ですよぉ。オイラのように頭のネジが緩んだ野郎にも一応(!?)理解出来ましたからね。あ、でも多少の根気は必要ですけど・・・。

また、Rさんには手っ取り早く調性を判断するための呪文も教えていただきました。音高や音大出身の方はもれなくご存知であろう有名な呪文であります。音の表記は日本語の「ハニホヘトイロハ」を使用します。さぁ、一緒にご唱和を!

トニイホロヘハ(♯系長調)
ヘロホイニトハ(♭系長調)

※♯、♭が付かないものはハ長調

ホロヘハトニイ(♯系短調)
ニトハヘロホイ(♭系短調)

※♯、♭が付かないものはイ短調

これをとにかく脳ミソの皺に刻み付けましょう。ラップにして歌ってみるといいかもっ!

トニイホロヘハ(♯系長調)を例にとって説明しますと、ト(♯1つ)、ニ(♯2つ)、イ(♯3つ)、ホ(♯4つ)、ロ(♯5つ)、ヘ(♯6つ)、ハ(♯7つ)になります。(♭も同様に一つづつ増えます)

ちょっとだけ難しいのは、例えばヘ(♯6つ)の場合「ヘ長調」ではなく「嬰ヘ長調」と呼ぶことです。♯や♭は付く順番が決まっています。♯はファ(ヘ)、ド(ハ)、ソ(ト)、レ(ニ)、ラ(イ)、ミ(ホ)、シ(ロ)。♭はシ(ロ)、ミ(ホ)、ラ(イ)、レ(ニ)、ソ(ト)、ド(ハ)、ファ(ヘ)という順番に付きます。

で、ヘ(♯6つ)を嬰ヘ長調と呼ぶのは「ヘ音」、つまり「ファ」の音に♯が付いているので「嬰[1]」と言う文字が入ります。では、ト(♯1つ)の場合はなんと呼ぶか?「ト音」、つまり「ソ」の音には当然♯が付いていないので単純に「ト長調」と呼びます。

このパターンと同様の考え方が♭の場合にも当然適用されますが、この場合は「嬰」ではなく「変[2]」と言う文字を使います。ヘロホイニトハ(♭系長調)で説明すると、ロ(♭2)は「ロ音」、つまり「シ」の音には♭が付いているので「ロ長調」ではなく「変ロ長調」と呼びます。(つまり「ロ長調」という表記は♯系の時のみの表記ってことになりますね)

つーか、ややこしいぞ、ゴルァっ!

す、すみまそん・・・。ちょっと整理しますと、いわゆる「ドレミファソラシド」はイタリア語、「ハニホヘトイロハ」は日本語による音の表記です。ちなみに英語では「CDEFGABC」とアルファベットで表記されます。本当はこれが一番わかりやすいんだよね。前述の嬰ヘ長調はF♯ Major(エフ・シャープ・メジャー)、変ロ長調はB♭ Major(ビー・フラット・メジャー)と書くのでわかりやすい!ちなみに短調はMinor(マイナー)と表記されます。コード理論などを勉強したい方は英語表記にも慣れておいた方がよろし。

オイラはいわゆる「ハニホヘトイロハ(=ドレミファソラシド)」による調性の表記や呼び方は仕事でしか使いません。クラシック業界ではこちらの方が圧倒的に使用頻度が高いためです。普段は英語表記を基本にしています。ちなみにポピュラー音楽の世界では英語表記が一般的です。

音楽理論自体はそれほど難解ではないんですが、表記や呼び方がジャンルによって違うためにややこしいことになってしまうんですな。個人的には英語表記に統一するのが一番いいと思うんだけど・・・。

理論を勉強してみたい方はまずこれをお勧めしまっす!

楽典―理論と実習

楽典―理論と実習書籍

作者石桁 真礼生, 末吉 保雄, 丸田 昭三, 飯田 隆, 金光 威和雄, 飯沼 信義

発行音楽之友社

発売日1998/12/10

カテゴリー単行本

ページ数239

ISBN4276100003

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  1. ♯のことを日本語表記で「嬰」と書くため。 [戻る]
  2. ♭のことを日本語表記では「変」と書くため。 [戻る]
  1. ああ、それなつかしいです(笑)!
    中学生の時、音楽の先生にそれ習いましたっけ・・・。
    トニイホロヘハ と、ヘロホイニトハは今でも覚えています。
    そしていつも授業では「平行調」のテスト(?)があって
    「ハ長調!」って言われたら差された生徒は即座に「イ短調」って答えないといけないの。
    全員立ってそれを始めて、答えられると座れるのね(^^;)
    最後の一人になると確かなにか罰則があるので、間違えないようにドキドキしましたよ~

    • Luzia
    • 2010年 3月 27日

    @Angelitaさん
    えっ!中学生の時に習われましたかっ!素晴らしい中学校ですね。

    オイラは習っていないなぁ。「平行調」や「近親調」なんて言葉もこの業界に入ってから知りましたし・・・。
    たぶん・・・。

    「移動ド」も習っていません・・・。オイラの母校はダメだな・・・。

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