我が神、パコ・デ・ルシアのアルバム中、公式に発売されたライブ盤音源は3枚あります。すなわち、1974年「En vivo desde el Teatro Real(邦題:パコ・デ・ルシア・ライブ)」、1984年「Live…One sumer night(邦題:ワン・サマー・ナイト)」、1993年「Live in America(邦題:ライブ・イン・アメリカ)」です。中でもスペイン、マドリードの「Teatro Real(王立劇場)」はクラシック以外のジャンルには決して門戸を開かぬという大変厳格な歌劇場として有名であり、その強固な門を開いた最初の演奏家がパコ・デ・ルシアでした。それはまさに「事件」であり、このライブ自体が既に伝説化しています。その時の演奏を収録したのが「En vivo desde el Teatro Real(邦題:パコ・デ・ルシア・ライブ)」です。
パコのドキュメンタリーDVD「Francisco Sánchez – Paco de Lucia」でも触れられていますが、この時のライブには普段この劇場では見られない観客、つまり無精髭を生やした若者を中心とした観客で超満員になり、立ち見席も無くなってしまいステージ上にも観客を入れたそうです。
このアルバムは当然ながらLPレコードで発売され、日本盤も発売されました。現在はもちろんCD化されています。
そのジャケット写真はスポットライトを浴びたパコが一人ギターを弾いているもので、パコの周りは暗いためステージ上にいると思われる観客がいないように見えますが、よぉ~く見るとパイプオルガンのすぐ下に薄っすらと観客が写っています。
もっとクリアな状態の写真で見てみたいものだと思っていたら、2003年に発売されたパコの初CD化を含むBoxセット「Caja Integral de PACO DE LUCIA」に含まれていたこのライブ盤のジャケット裏の写真を見て驚愕・・・。
このBoxセットに収録されているアルバムは全てスペイン原盤のオリジナルジャケットを使用しています。かつて発売された日本盤は曲名が書いてあるだけだったので本当に驚きました。
しかしながら、よくここまでステージ上に観客を入れたものです・・・。パコもさぞ弾きにくかったのではないでしょうか(笑)
このライブ盤は録音状態が多少悪いんですが、若きパコの「凄み」を感じさせてくれる名盤だと思います。興味のある方は是非一度聴いてみて下さい。
【2012年4月30日追記】
今年、2010年のスペイン公演を収録したライブ盤“EN VIVO CONCIERTOS LIVE IN SPAIN 2010”がリリースされやした。甥っ子のAntonio Sánchezがセカンド・ギタリストとして参加。
わぁ~(^_^;) ステージ床上に座って聴いた人もいらっしゃるのですね(笑)
なんだか、スゴイ(笑)
ルシアさん、パコ・デ・ルシアが、ホントにお好きでいらっしゃるようですので、
これは、羨ましいシチュエーションですよね~。
このアルバムも聴いてみたいです、まずは、サビーカスを今ボタン押ししました^^。
@vanilla
王立劇場は特にオペラの名門劇場で、当時はクラシック・ギタリストにも門戸を開くことは稀だったそうですから、フラメンコ・ギタリストがこの舞台に立つこと自体が事件でした。
パコのドキュメンタリーDVDで語られていますが、髭面の若者が多数劇場に集まってきたので守衛さんがびっくりしたとか。
自称“パコ・マニア”ですので、パコさんは大好きであります。フラメンコの世界に入るきっかけでしたしね。