アーカイブ : 2010年 7月 12日

妖花絢爛

夕闇迫るある日の午後。僕は沛然と降りしきる雨の中をいつものように散歩していた。散々歩き回り、あまりの蒸し暑さに額の汗を拭うためにふと立ち止まると、瀟洒な洋館の前に嫣然たる笑みを湛えた佳人がひっそりと佇んでいるのが見えた。琺瑯の如き白い肌に、時代がかった純白のワンピースを纏ったその佳人の背後には見事に繁った蔦の緑が映え、佳人の美しさを更に際立たせていたのだった。いや、むしろ浮世離れしたその姿は美しさを通り越し、蛍火のような脆く妖しい雰囲気を漂わせていたと言った方が良いのかもしれない・・・。
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