妖花絢爛

夕闇迫るある日の午後。僕は沛然と降りしきる雨の中をいつものように散歩していた。散々歩き回り、あまりの蒸し暑さに額の汗を拭うためにふと立ち止まると、瀟洒な洋館の前に嫣然たる笑みを湛えた佳人がひっそりと佇んでいるのが見えた。琺瑯の如き白い肌に、時代がかった純白のワンピースを纏ったその佳人の背後には見事に繁った蔦の緑が映え、佳人の美しさを更に際立たせていたのだった。いや、むしろ浮世離れしたその姿は美しさを通り越し、蛍火のような脆く妖しい雰囲気を漂わせていたと言った方が良いのかもしれない・・・。

僕は何となくその場に居た堪れない感覚を覚え、足早にその場を去ろうとした。が、まるで呪縛されたように身体が動かない。するとその佳人は笑みを湛えたまま僕の方へ歩み寄ってくるのだった・・・。汗が滝のように流れ僕の目を焼く。しかしそれは蒸し暑さによるものではない。僕は自分の身体が得体の知れぬ恐怖によって徐々に冷えていくのをはっきりと感じていた。やがて佳人は僕と対峙するように立ち止まった。途端、嫣然たる笑みは邪な笑いに変わり、黒目の勝った両眼に仄暗い光が灯った。そして僕は気を失った・・・。

はぁ~い、妄想劇場終了!

ええと、皆さんは蔦の花って見たことあります?梅雨時の特に湿度でムンムンな頃の夕方になると咲くんだね、これが。で、その花弁が何とも“妖しい”雰囲気プンプンなのね。だもんでついつい妄想劇場に浸ってしもた・・・。こんな花よ。

蔦の花

ねっ!どうです!めちゃんこ“妖しい”でがしょ。

群生しているとけっこう怖いっすけど・・・。

  1. とっても不思議な花ですね。
    それもしかしてカラスウリかも?似てません??
    http://aquiya.skr.jp/zukan/Trichosanthes_cucumeroides.html

    • Luzia
    • 2010年 7月 13日

    @Angelitaさん
    >それもしかしてカラスウリかも?似てません??
    ほ、本当だ・・・。 蔦の中にカラスウリが混じっていたのでしょうね。上記写真の花は都内某所に咲いているのですが、毎年この時期になると咲いているのずぅ~~~~と、蔦の花だと信じておりました。

  2. 同じ蔓植物ですもんねぇ。葉っぱも似ているから混じっていても分からないかも。
    それにしてもカラスウリも月下美人みたいに夜に咲く一夜限りの花ってとこがアヤシイ(?)ですよね・・・。
    写真でしか見たことないので、一度実物を見てみたいなぁ。

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