“ギター”という楽器についてあらためて考えてみる

長年ギターを弾き続け、あまつさえ楽器業界に身を置いているオイラですが、ギターという楽器を客観的に考えてみると実にダメな楽器だと思います。アコースティック、つまり“生音勝負の楽器”ということで考えるとピアノ、ヴァイオリン、フルートといったクラシックの花形楽器と比較してみた場合、特にその“音量”において圧倒的に劣っています。ピアノとギター、ヴァイオリンとギター、フルートとギターによるデュオ作品は星の数ほどありますが、実際にコンサートで聴くとギターの音の小ささは否めません。これが弦楽四重奏との共演、小オーケストラとのコンチェルトともなれば推して知るべしです。それ以外のダメな点は・・・。

1. 演奏が難しい。
2. チューニングが合いにくい。

ギターという楽器はとてもポピュラリティーの高い楽器にもかかわらず、演奏の難しさは他の楽器に比べると群を抜いていると思います。(ヴァイオリンも難しいけどね・・・)ピアノは全く演奏できない人でも、取りあえず鍵盤を押せば音が出せます。ですが、ギターは初めて楽器に触れる人に「何か音を出してごらんなさい」と言ってもまず100%音が出せません。

弦を指で押さえて指で弾くという行為はかなり難しいことなのであります。で、頑張って単音を出せるようになった方がその後ギターを止めてしまうほど挫折率が高いのが、“セーハ”、アコギでは“バレー”と呼ばれる独特な押弦法ですね。左人差し指で6本の弦を全て押さえつつ他の指も押さえるあれね。(↓のパコ・デ・ルシア師匠の写真を参照)

セーハするパコ

オイラも最初にぶつかった壁がこれでした。もう、どうやっても音が出ない・・・。音を出そうとするあまり指に力は入りすぎて痛くなりますし、とにかく最初はもの凄くストレスが溜まります。でも、セーハを克服しないとほとんどの曲が弾けないのも事実です。ここでギターを挫折された方は大変多いでしょう。

と、このようにギターはダメな点=欠点が多すぎる楽器なのです。しかし、この欠点をたった一つのことで補っているのがギターという楽器なのかもしれません。それは、

「音が美しい」

ということです。これが全てと言っても過言ではありません。更に「単音でも力のある音=自己主張の高い音」、「音色のパレット数が豊富」、「最大で6つの音しか出せないのにそれ以上に厚みのある和音に聞こえる音」、「オールジャンルに対応可能」といった点も他の楽器を凌駕している魅力かもしれません。それゆえギターはポピュラリティーの高い楽器になり得たのでしょう。

ポピュラリティーが高いということは、それだけギターを弾いている方が多いということですから、前述のセーハも必ず克服できる奏法であります。

もし現在、セーハで挫折しかけている方!必ず弾けるようになりますのでリラックスして練習してね。

と、たまには良いことを書くオイラ。いつもこうありたいね・・・。

  1. 私も挫折組ですが(^^;)セーハで挫折したんじゃなかったなぁ。
    何で挫折したのか思い出せないんだけど、トレモロとかアルモニコスとかも最初は難しかったですねぇ。
    最後に弾いていた曲はアルベニスの「朱色の塔」でしたっけ・・・。
    今思うとやめちゃって残念!
    でも今夜はフラメンコ観に行ってきて、やっぱりギターはいいなぁと思いました。

    • Luzia
    • 2010年 8月 11日

    @Angelita様
    姉さん、毎日暑いですね。

    >最後に弾いていた曲はアルベニスの「朱色の塔」でしたっけ・・・。
    えぇっ!凄いぢゃないですか。完全に上級クラスの曲ですよこれ。もったいない!

    いや、今からでも遅くはないですよ。是非ギターを再開しましょうよ!

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