巨星墜つ~フラメンコの詩人 エンリケ・モレンテ

人生とは何が起るかわからないものでございます。大事故に遭遇してもカスリ傷程度で済む場合もありますし、道端の石っころに蹴躓いただけで命を落とす場合もございます。潰瘍の手術で命を落とすということはどちらかというと後者に属するのではあるまいか?今月の13日、オイラの大好きなカンタオール、Enrique Morente(エンリケ・モレンテ)がマドリードの病院で急逝。享年67歳だった。その早過ぎる死にフラメンコ界は今、悲しみに包まれています。

オイラが初めてエンリケのカンテを聴いたのは、あのSabicas(サビーカスW)の遺作ともなった“Nueva York(ヌエバ・ジョルク)”というアルバムでした。サビーカスが病に伏せった後、70歳後半にして復帰を果したアルバムです。オイラがなぜこのアルバムを購入したかというと、もちろんサビーカスのギターが聴きたかったからなんですが、さすがに病み上がりということもあって往年のサビーカスと比較すると正直かなり腕は落ちてしまっていました。それもそのはず。この録音の直後にサビーカスは天に召されたのでした。

この頃、エンリケのカンテ・スタイルは既に大変斬新かつモダンなスタイルでカンテ界に新風を巻き起こしていましたが、サビーカスの伴奏とあって伝統的なカンテを披露しています。しかし、どんなスタイルであれ、エンリケの艶やかで伸びやかな歌唱は余りにも素晴らしく、もの凄く感動してしまいました。以来、すっかりエンリケの大ファンになったのでした。

“Sabicas & Enrique Morente / Nueva York”

Nueva York


2009年に発売された初のライヴ盤“Flamenco en directo(フラメンコ・エン・ディレクト)”も良かったなぁ。

“Enrique Morente / Flamenco en directo”

 Flamenco en directo


67歳。まだまだこれから円熟の歌声が聴けるはずだったのに残念です。合掌。

2009年、コルドバで開催されたフェスティバルでのエンリケのカンテをどうぞ。ほんといい声ですね。

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ペペ・アビチュエラ伴奏によるシギリージャです。二人とも若い!

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  1. Luziaさん
    またひとりのフラメンコが星になってしまいましたね。
    私の母は66歳で亡くなりましたが、67歳はまだまだ活躍できる年齢なので残念すぎますね。
    エンリケのCDは私は「オメガ」しか持っていないのだけど、
    彼のカンテは私もとっても好きでした。
    その稀有なDNAはエストレージャにしっかりと受け継がれているのでしょう。
    彼女のお別れの歌が哀しすぎます。

    • Luzia
    • 2010年 12月 17日

    @Angelitaさん
    もし医療ミスが原因だったとしたらちょっと悲しすぎますね・・・。

    昨夜は「エン・ディレクト」とビセンテの「パセオ・デ・グラシア」を聴きました。エンリケはやっぱりいい声ですね。

    そう言えば、ビセンテのファースト・アルバム「我が心を風に解き放てば」に収録されている殊の外美しいグラナイーナスは“モレンテ”というタイトルでしたね。

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