事件を解く鍵は“Fコード”にあり

これは何年前の出来事だったかしら?少なくとも10年以上前の事であることに間違いないありませぬ。時刻は夕方だったと思います。お店にスーツ姿のサラリーマンと思しき二人連れのお客様がいらっしゃいました。オイラが「いらっしゃいませ」とご挨拶すると、お客様も笑顔で会釈してくださいました。その後、店内に展示してある楽器を物珍しそうに見ながら、お二人で何やらコソコソと喋っていらっしゃる様子が何か尋常ではないのです。そして、心なしか眼光も鋭い・・・。オイラはちょっと緊張した・・・。

しばらくするとお二人揃ってツカツカとオイラの方に向かって歩いてきました。そして、そのうちのお一人がスーツの内ポケットに手を差し入れました。

“う、撃たれる・・・”

と思った刹那、オイラの目前に差し出されたものは、

“警察手帳”

でした・・・。

“くっ!例の一件が露見したか・・・。無念・・・。”

冗談はさておき、実はこういうことでした。

その頃、うちのお店の近辺で“縛り強盗”というのが暗躍していたのでございます。被害者はいずれも一人暮らしの若い女性ばかり。

その手口は女性が外出している間に部屋へ忍びこみ、女性が帰宅するまでじっと待機。そして、女性が帰宅するや否や刃物をちらつかせて脅し、ぐるんぐるんに縛り上げて銀行や郵便局のクレジットカードと暗証番号を要求。無事にそれらをゲットすると遁走というわけです。

話の筋は理解出来たのですが、なんで楽器店であるうちのお店に刑事さんがいらしたのか謎であります。その理由とは・・・。ここから先の展開にオイラは大変感動したのでございました。

もう一人の刑事さんが一枚の写真を取り出しました。少々粗い画像でしたが、キャップを深々と被った一人の男が写っています。それは被害届のあった女性のカードで現金を引き落としている上述の強盗犯を、うちのお店の近所にある某郵便局の防犯カメラが捉えたものでした。恐らく犯行に及んだ直後に撮影されたもので、その時点では当然まだ非公開の写真であります。

刑事さんたちがうちのお店にいらしたのは、某郵便局の近くだからという理由ではなかったのであります。写真に写っている男のある部分に着目した結果だったのでした。

その男は手帳のようなものを左手に持っていて、刑事さんにそう言われるまで全く気付きませんでしたが、その手帳を持った指の形がギターの“Fコード”の形にソックリだったのであります。それで刑事さんたちはもしかしたら犯人はギターを弾く人間かもしれないと推測してうちのお店にやって来たのです。

残念ながら全く見覚えのない男だったのでお役に立つことは何ひとつありませんでしたが、あらゆる可能性を考えて捜査にあたる刑事さんたちの姿にもの凄く感動してしまったのであります。こういう地道な捜査によって日本の治安守られているのであります。感謝であります!

後日、犯人は無事逮捕されました。しかし、ギターは全く弾かない男だったそうです・・・。

    • mimi
    • 2011年 1月 7日

    笑えるエピソードでした(笑っちゃいけない?)。
    わたし的には、FコードよりBコードの方が押さえにくいです。って、関係ない?

    • Luzia
    • 2011年 1月 7日

    @mimiさん
    ちょうどその頃は某国の人間によるピッキング、強盗団なんかが日本全国を荒らし回り問題になっていた頃でした。この犯人も実はその一人だったのです。

    >わたし的には、FコードよりBコードの方が押さえにくいです。
    わかります(笑)。オイラも初めてBコードに挑戦した時、「これって本当に押さえられるのか?」と思いました。

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