右小指の誘惑

ピアノは10指全てを使用して曲を演奏するのに、なぜギターは使わないのだろうか?ギターは通常、左指は1(人差し指)、2(中指)、3薬指)、4指(小指)を使用し、右指はp(親指)、i(人差し指)、m(中指)、a(薬指)を基本的に使用しますね。例外的に左親指、右小指を使用することもありますが、あくまでも例外として稀に出てくる程度です。実際に弾いてみると良くわかりますが、右薬指と右小指は分離が非常に難しい・・・。故に小指は使用されないのだと思われ・・・。

和音は弾き易いので小指を使用している方が多いかも。一例としてオイラの大好きなブラジルのギタリスト、Paulo Bellinati(パウロ・ベリナチ)が、Antônio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビンW)のピアノ・ソロ作品として有名な“Garoto(Choro)”という曲をギターソロにアレンジした譜面の一部をご覧下され。赤丸で囲った和音は右指の運指が書いてありませんが、p(親指)、i(人差し指)、m(中指)、a(薬指)、ch(小指)で演奏可能です。ベリナチ自身もch(小指)を使用しています。

ジョビンのガロート(ショーロ)

がっ!和音だけではなく、全ての曲においても普通に

右小指をガンガン使っちゃおうぜっ!

と推奨し、右手5本指のための練習曲や曲集まで出版しているギタリストがいらっしゃる。

その名をCharles postlewate(チャールズ・ポストルウェイト)と言ふ。

彼の演奏動画を見たことがあるんですが、全く普通にスケールやアルペジョでch(小指)を使用していてクリビツ。ちゃんとした練習(訓練)をすると苦も無く演奏が出来るのだなぁ・・・。

これはええなと瞠目したのがトレモロです。有名なAgustín Barrios(アグスティン・バリオスW)の遺作、“Una Limosna por el Amor de Dios(邦題:最後のトレモロ、もしくは過ぎ去りしトレモロ)”の譜面をご覧下され。左がオリジナル、右が右小指も使用した楽譜です。

バリオス/最後のトレモロ(ノーマル) バリオス/最後のトレモロ(小指使用)

通常より1音多くなることによりトレモロの粒がより細かくなりますから、レガートに演奏出来るようになれば完璧なトレモロになりますね。

と、良い事尽くめなんですが、なかなか右小指使用に踏み切れない問題もあるのね。分離のし難さや指の力が非力ということの他に、爪の大きさの問題もあります・・・。

小指の爪って他の指の爪よりも小さいので、どうしても音が細くなってしまうのね。爪の長さや削り方で克服出来るのかもしれませんが、これがなかなか難しい。

右小指使用の誘惑にかられつつも積極的に使用するのは結局、和音を弾く時とラスゲアードを弾く時だけであります。まぁ、普通はそれで十分なんですけどね・・・。

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