伝承と前衛の奇跡的な邂逅

彼のアルバムを初めて聴いたときは本当にブッ飛んだ。遂に日本人ギタリストにもこんな研ぎ澄まされた感性を持ったプレイヤーが出てきたかと。まだ20代後半の若いギタリストなんだけれども、彼の豊な音楽性は天性のものなのであろう。実に素晴らしい!今後の活躍が最も期待されるギタリストであることは間違いない。彼の名は笹久保 伸さんと言ふ。

彼の演奏スタイルはペルー伝承曲と前衛作品の演奏が主たるものという大変ユニークなものです。

ペルー伝承曲の演奏においては彼以上の演奏を出来る日本人ギタリストは皆無だと思う。ラテン音楽を日本人が奏でることの難しさは以前も書きましたが、彼の演奏のノリ&ニュアンスはまさしくペルー人そのものであり、ほとんど奇跡的と言っても良い。

また、前衛作品演奏の分野ではイタリアの大作曲家Sylvano Bussoti(シルヴァーノ・ブッソッティW)、日本の作曲家では高橋悠治さんという錚々たる方々が彼の演奏に惚れ込み作品を献呈しています。

ペルー伝承曲と前衛音楽というと全く別の世界のようだけれど、彼の中ではどこかで繋がっているのでしょう。今度お会いしたら聞いてみよう。

ペルーのフェスティバルで“Payrulla Payrun” という作品を演奏する笹久保さん。素晴らしいノリっ!

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巨大な鋏をプリペアドする自作曲、“Pago a la sirena para guitarra preparada(プリペアドギター為の「人魚へ捧げ物」)”を演奏する笹久保さん。見た目のインパクトもさることながら、演奏表現における鋭い感性が炸裂しています。

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来月、6月25日(土)に東京オペラシティ3F 近江楽堂で彼に捧げられた作品によるリサイタルが開催されます。前述のシルヴァーノブソッティ、高橋悠治さん、Edgar Valcarcel(エドガー・バルカルセル、ペルーの前衛作曲家)、Carlo Domeniconi(カルロ・ドメニコーニ)、杉山洋一さんの作品が演奏されます。全て世界初演もしくは日本初演という凄いプログラミングです。

伝承と前衛の奇跡的かつ幸せな邂逅をご堪能あれ。

笹久保さんも参加されている高橋悠治さんのアルバムです。笹久保さんの他のアルバムは彼のウェブサイトから注文可能です。是非お聴き下さい。

高橋悠治の肖像 / Array / CD ( Music )

エイベックス・エンタテインメント( 2010-05-26 )

定価:¥ 3,990 ( 中古価格 ¥ 3,180 より )


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