Al Di Melola(アル・ディ・メオラ)のことは以前にも書いたことがありますが(ここ)、彼が1977年に発表したセカンド・アルバム、“Elegant Gypsy(邦題:エレガント・ジプシー)”はPaco De Lucia(パコ・デ・ルシア)を愛する者にとって大変重要なアルバムであります。現在のモダン・スタイルのフラメンコ・ギター音楽が生まれるきっかけとなったのがこのアルバムと言っても過言ではないからです。
“Elegant Gypsy (邦題:エレガント・ジプシー)~1977年”
- Flight Over Rio
(フライト・オーヴァー・リオ)- Midnight Tango
(ミッドナイト・タンゴ)- Mediterranean Sundance
(地中海の舞踏)- Race With Devil On Spanish Highway
(レース・ウィズ・デヴィル・オン・スパニッシュ・ハイウェイ)- Lady Of Rome, Sister Of Brazil
(レディ・オブ・ローマ, シスター・オブ・ブラジル)- Elegant Gypsy Suite
(エレガント・ジプシー組曲)
3曲目の“Mediterranean Sundance(地中海の舞踏)”はパコとのデュオ曲であります。この演奏はジャズ・フュージョン界はもとより、ロック、クラシック、そしてフラメンコの世界にも衝撃をもたらしました。
パコはこのアルバムに参加する前年、中期の傑作である“Almoraima(邦題:アルモライマ)”を発表しました。伝統的なフラメンコ・ギターで出来ることを全て出し尽くしてしまった歴史的名盤なんですが、30歳にして頂点を極めてしまったパコは大いに悩みます。
“俺はこの後何をすればいいのだろうか?”
と。
そこへパコが1973年に発表したアルバム“Fuente Y Caudal(邦題:二筋の川)”に収録されているルンバ、“Entre dos aguas(邦題:二筋の川)”を聴いて感動したアル・ディ・メオラがパコへ共演を求めたのであります。
この“地中海の舞踏”という作品は完全に“二筋の川”を元にして作られた作品で、ぶっつけ本番で録音されました。
その後、この“地中海の舞踏”を聴いて感動したJohn McLaughlin(ジョン・マクラフリン)の呼びかけによって“スーパー・ギター・トリオ”が結成されるに至ったわけです。
ジャズメンとの共演により、パコの音楽に今までフラメンコでは使用されなかった複雑なハーモニーの概念が取り込まれ、新しいフラメンコ・ギター音楽が生まれたわけです。素晴らしい!以上!
さて、ここまでは前フリざんす。ここから本題ざます。
上述の“エレガント・ジプシー”に収録されている4曲目“Race With Devil On Spanish Highway”は“レース・ウィズ・デヴィル・オン・スパニッシュ・ハイウェイ”と英語をそのまんま発音表記したものになっていることもありんすが、日本では“スペイン高速悪魔との死闘”という邦題が一般的かもしれませぬ。
なんかタランティーノっぽい&B級ホラーっぽいタイトルがチョー素敵っ!アル・ディ・メオラの曲としてはかなり激しい縦ノリ作品なんだけどカッコイイよ!にしてもスペイン高速悪魔って何よ?
おそらくこれはパコ・デ・ルシアの事なのではないだろうか?アルバムで初共演を果たしたパコから受けた畏怖の念から生まれた讃歌なのだとオイラは思う。違ってたらごみんね。まぁ、取りあえず演奏を聴いてみなさんし。
アルバム版(音源のみ)
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ライブでの演奏。
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