全人類的お宝必聴盤~Part20 “山下和仁/J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(2004年版)”

クラシック・ギタリストの山下和仁Wさんのことに関しては、これまでも記事として何度も書きましたが、満を持してお宝必聴盤をご紹介します。とは言っても、17歳の初録音から今日に至るまでにリリースされたアルバムが80枚を超えるという驚異的な数字にまずオイラのような凡人は目が眩むわけで、この中から1枚を選ぶのはなかなか困難であります。出世作となった“展覧会の絵”は外しがたいのですが、オイラは敢えてこの1枚を選びます。

“J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ~2004年”

J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ

<Disc 1>

  1. ソナタ第1番ト短調BWV1001
  2. パルティータ第1番ロ短調BWV1002
  3. ソナタ第2番イ短調BWV1003

<Disc 2>

  1. パルティータ第2番ニ短調BWV1004
  2. ソナタ第3番ハ長調BWV1005
  3. パルティータ第3番ホ長調BWV1006

“無伴奏ヴァイオリン”とあるとおり原曲はヴァイオリン独奏曲であり、偉大なるJ.S.B作品の器楽独奏曲の中でも神憑った至高の作品であり、現代においてもヴァイオリニストにとっては聖書のような作品であります。

実は山下さんは1989年にもこの作品を全曲ギターで録音[1]しています。このアルバムも大変素晴らしい内容なのですが、15年の時を経て再録音をした本アルバムはアレンジも一新し、より深い味わいに満ちた筆舌に尽くし難い素晴らしさであります。

前録音よりも若干テンポを落とし(それでもヴァイオリン並のテンポですが・・・)、ダイナミックレンジの幅も驚異的に広く、聴くたびに新たな発見があります。

誤解を恐れずに書けば、当然ながら名盤の多いヴァイオリンによる録音と比肩しうる、もしくはそれ以上の演奏を堪能できます。

山下さん以降、この作品を全曲録音をしたギタリストは何人かいらっしゃいますが、山下さんを越える演奏は個人的には未だ聴いたことがありません。

古楽演奏の見地から言うと山下さんの演奏は間違っていることが多々あるかもしれません。でも、そんなものはどうでもよろしいっ!我々は至高の作品と至高のギタリストが織り成す幸福なハーモニーに耳を傾けるだけでいいのだ。

J.S.バッハ / 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ (全曲)

J.S.バッハ / 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ (全曲)ミュージック

価格¥ 4,320

アーティスト山下和仁

クリエーター山下和仁, バッハ

発行BMG JAPAN

発売日2004/11/23

カテゴリーCD

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余裕のある方は1989年盤と聴き比べてみるのも一興。こちらの盤に収録されている“ソナタ第1番ト短調BWV1001”はイ短調に移調したアレンジで演奏されています。2004年盤は原調のト短調によるアレンジです。

バッハ : 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ

バッハ : 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータミュージック

価格¥ 5,138

アーティスト山下和仁

クリエーター山下和仁, バッハ

発行日本クラウン

発売日1989/11/20

カテゴリーCD

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  1. もちろんアレンジは山下さん自身によるもの。有名な“シャコンヌ”を含む“パルティータ第2番二短調BWV1004”に関しては10代の頃にも録音していらっしゃいます。 [戻る]
    • おばたく
    • 2018年 5月 21日

    こんにちは。
    先日山下和仁氏の編曲によるバッハのヴァイオリンの楽譜が発売されましたがこの本に準拠しているのは89年の録音と2004年の録音のどちらでしょうか?
    また、編曲の作りの内容(原譜に音をどういう風に追加したか、あるいはしてないか)などの違いについて、そして録音の違いについてもう少し詳しく教えていただきませんか?

    • Luzia
    • 2018年 5月 22日

    @おばたくさん
    コメントをいただきありがとうございました。

    復刊した山下和仁さんアレンジの“J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ”は1989年盤に準じたものでございます。

    音の追加等は多からず、少なからず(主に低音部)だと思います。「シャコンヌ」はほぼ、セゴビア編に近い感じです。

    好みもあると思うのですが、1989年盤は“勢い”があり、2004年盤は“深い”味わいがあります。テンポ的には1989年盤が時速300kmだとしたら、2004年盤は時速200kmぐらいでしょうか。

    ちなみに1989年盤は“ソナタ第1番BWV1001”はイ短調に移調されていますが(他5曲は原調どおり)、2004年半は原調であるト短調でのアレンジになっています。

    愚ブログでも書いたのですが、個人的には2004年盤が大好きです。

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