5セントの誘惑

“1円を笑う者は1円に泣く”という。1セントは約1円。5セントは約5円ということになる。つまり、5円を笑うと大号泣することになるので気をつけよう!っていう話ではなく、セントはセントでもセント (音楽)Wのことでありんす。イギリスの作曲家、Jonathan Harvey(ジョナサン・ハーヴェイW)のギター作品に“Sufi Dance(スーフィー・ダンス)”という作品がございます。ちなみにスーフィー・ダンスというのは、イスラム神秘主義由来の旋回舞曲ざます。

と言っても、この作品はスーフィー・ダンスをモチーフにしたバリバリの現代作品でありんす。アメリカの名ギタリストで現代音楽作品を数多く録音しているDavid Starobin(デイヴィット・スタロビン)に捧げられていて、彼が録音もしちょる。(レーベルはNAXOSじゃけぇ)楽譜冒頭はこんな感じ。

楽譜冒頭

さて、楽譜左上に何やら不思議なチューニング指示がございやす。

“Fifth-tone re-tuning”

で、5弦=A、4弦=D、2弦=B、1弦=Eの開放弦に矢印が付けられちょる。コイツは一体何?

これは5弦=A&2弦=Bを5セント音律を上げ、4弦=D&1弦=Eを5セント音律を下げなされということなのね。チューナーをお持ちの方はメモリをご覧なされ。とっても微妙でがしょ・・・。

恐らくハーヴェイさんはピタゴラス音律Wを意識してこの作品を作曲したのかも知れませぬ。

ちょっと弾いてみたんだけど、たった5セントの差とは言え各パッセージが綺麗に響く(ような気がする・・・)。このチューニングは転調の多い作品には使えないけど、開放弦を多用した作品ではとても良いと思う。

長年、多種多様なギター楽譜を見ているけど、このチューニングによる作品はこれだけだと思う。大変勉強になりました。

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