12の美味なる果実

原点に立ち返ってみると、手垢の付きまくった作品がとても新鮮に感じられたり、新しい発見があるものでございます。長年楽譜のお仕事をしておりますと、楽譜をチェックしている時に「これはミスプリぢゃねぇか?」とか「ここは♮ぢゃなくて本当は#ぢゃねぇか?」なんてことはしょっちゅうありんす。となると、「あぁ、原譜(手稿譜)を見てみたいっ!」てぇことになりやんす。

が、最近ちょっと事情がいい感じになっておりやす。

Mario Castelnuovo-Tedesco(マーリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコW)、Manuel María Ponce(マヌエル・ポンセW)、Frederic Mompou(フェデリコ・モンポウW、Joaquín Turina(ホアキン・トゥリーナW)などのAndrés Segovia(アンドレス・セゴビア)のレパートリーとして知られる有名作品が、ここ近年になって原典版が多数出版され始めたのね。

中でも、クラシック・ギターを始めて上級者クラスにまで腕が上がった方が必ず一度は演奏する、Heitor Villa-Lobos(エイトル・ヴィラ=ロボス)作品も原典版(もしくはクリティカル版)が出版されておる。

“Cinq Préludes(5つのプレリュード)”“Suite populaire brésilienne(ブラジル民謡組曲)[1]は4年前に出版されたのだけど、残る“Douze Études(12のエチュード)”は出る出ると言われながら予定よりも2年遅れでようやく出版。

ヴィラ=ロボス作品に限ったわけではござらんが、とにかくセゴビア・エディションは誤植が多すぎっ!前述の♮が#なんて例もヴィラ=ロボス作品にはあるのね。それらが新しい版では見事に解決されているし、セゴビア先生が気に入らず削除した部分[2]を知ることが出来てナイスっ!ちなみに下の楽譜は有名な“エチュードNo.1”の手稿譜なり。

エチュードNo.1手稿

1章節づつリピート記号が書かれていますが、1928年の初稿ではこのリピート記号は無かったそうでっす。[3]リピート無しで演奏するとあっという間に曲が終わってしまうので、リピート記号を付けたようです。

では、セゴビア大先生の演奏する“エチュードNo.1”をどうぞ。

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とまぁ、原典を見ることによって今まで常識として知っていた知識が覆されたり、新たな発見を得たりと実に楽しいものです。今後もあっと驚くような発見を期待したいものでござんす。

福田進一さんによる“12のエチュード”全曲録音を含むアルバムです。福田先生は1928年版手稿譜を使用されているので、“エチュードNo.1”、“エチュードNo.2”はリピート無しで演奏されています。

森の中のカンティレーナ〜ラテン・アメリカ作品集III〜

森の中のカンティレーナ〜ラテン・アメリカ作品集III〜ミュージック

アーティスト福田進一

発行マイスター・ミュージック

カテゴリーCD

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  1. 新発見の作品まで収録されちょるっ! [戻る]
  2. No.10やNo.11など [戻る]
  3. エチュードNo.2も同様 [戻る]
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