ずいぶん前に沼正三Wの“家畜人ヤプー”の事を書きやしたが(ここ)、Wikiをご覧いただいておわかりのとおり、結局のところ沼正三氏は誰だったのか未だに不明なんだねぇ。代理人という天野哲夫W氏が実は本人という説もあり、実際、国会図書館では同一人ということになっているらしい。が、本当のところはよくわからんという事になっちょりんす。
まぁ、読み手としては著作者が誰であろうと関係は無いわけで、この世界的にも類を見ない奇著を堪能できれば良いのでございまする。
という訳で最近、めでたく“家畜人ヤプー”が電子書籍化(全5巻)されたのですんげぇ~久し振りに再読してみた。これまでに何度か読んでいるので内容は全て把握しているのでありんすが、やっぱりその衝撃度はパネェ・・・。
これまで石森章太郎W氏や江川達也W氏によってコミカライズされたり、実現はしなかったけど映画化が企画されたりした作品でござんすが、この作品に関しては原作を超えるものを作るのは不可能だと思ふ。
なぜなら、この作品全体を支配しているのは超絶的、且つ、強力、且つ、不可侵な“妄想”の力だからでありんす。
この作品を読まれた方はおわかりかと思いやんすが、普通に書いたらただ気持ちの悪い安っぽいSM小説になる題材が、まるで学術書の如き詳細極まりない記述によりとても高尚な小説を読んでいる気分になりまっすね。それがかえって読み手自身の妄想を掻き立てて、気持ち悪さや不気味さを増大させるのねん。まさに“妄想力”の賜物でござんす。
とは言え、万人にお勧め出来る小説ではないのですが・・・。
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